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旧記雑録とは

『旧記雑録』は、島津氏と薩摩藩に関係する文書・記録・系図などを集め、年代順を基本として編成した大規模な史料集です。一般には『薩藩旧記雑録』とも呼ばれます。

収められているのは、後世に書かれた歴史の説明だけではありません。書状、命令書、起請文、知行関係文書、系図、日記、家譜の記事など、性格の異なる多数の史料がまとめられています。そのため、島津氏の政治や合戦だけでなく、家臣団、土地支配、寺社、外交、家族関係、地域社会などを調べる手がかりになります。

一方で、本文は古文書・古記録の形で収録され、人物の呼び名や地名の表記も一定ではありません。全体も非常に大きいため、初めて読む場合は「どの巻の、どの文書を見ればよいか」を探すところから始まります。

このガイドの役割

旧記雑録ガイドは原文の代わりではありません。人物・地名・出来事・文書種別などから候補を探し、鹿児島県公開の原文へ進むための索引・入口です。

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成立と編纂者

『旧記雑録』は、幕末期の薩摩藩で史料の収集と編纂に携わった伊地知季安と、その子の伊地知季通によって作られました。季安が島津家や藩内諸家に伝わる文書・記録類を書写・収集し、季通も史料を加えながら整理と増補を続けました。

東京大学史料編纂所が所蔵する島津家本は、季安・季通父子の自筆草稿本にあたり、前編・後編・追録・附録を合わせて全362巻から成ります。編纂の過程では巻数や配列の見直し、史料の追加などが重ねられました。また、現存する写本によって収録内容に違いがあることも指摘されています。

『旧記雑録』は、単に一つの家の出来事を記した年代記ではなく、各所に残されていた史料を後世の調査に利用できる形へ集成したものです。原文書が失われ、写しによって内容を知ることができる史料も含まれるため、島津家・鹿児島藩史だけでなく、南九州の歴史を考える上でも重要な基礎史料となっています。

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前編・後編・追録・附録

島津家本の『旧記雑録』は、次の4区分で構成されています。

区分巻数主な収録年代・性格
前編48巻長久2年(1041)から天文23年(1554)まで
後編102巻弘治元年(1555)から正保元年(1644)まで
追録182巻正保2年(1645)から明治28年(1895)まで
附録30巻年月が明らかでない文書など

前編と後編は中世から近世初頭までを年代順にたどる際の中心となり、追録はその後の時代へ続きます。附録には、年月が分からないため編年部分へ置きにくい史料などが収められています。

追録の年代と編纂時期

追録の「明治28年(1895)まで」は、収められた史料の年代を示します。伊地知季安の没後は息子の季通が編纂を引き継ぎ、明治30年(1897)頃まで増補・整理を続けました。追録の末年は、季通が編纂を続けていた時期に含まれます。

なお、『鹿児島県史料』には、この4区分以外にも『旧記雑録拾遺』として「家わけ」「諸氏系譜」「伊地知季安著作史料集」などが刊行されています。これらは今後の収録候補ですが、現在の旧記雑録ガイドにはまだ登録していません。

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鹿児島県史料『旧記雑録』

鹿児島県は、地域の歴史文化を明らかにするため、昭和43年(1968)に鹿児島県維新史料編さん所を設置し、『鹿児島県史料』の刊行を進めてきました。その「旧記雑録編」では、『旧記雑録』の前編・後編・追録・附録や、関連する拾遺史料が校訂・刊行されています。

刊行された冊子には、活字化された本文のほか、巻によって序文・解題・例言・目次などが付されています。鹿児島県公式サイトでは、刊行後一定期間を経た冊子がPDFで公開されており、誰でも原文を確認できます。

旧記雑録ガイドが示す「冊子頁」は、この鹿児島県史料の冊子に印刷されたページ番号です。検索結果から該当する分冊を開き、冊子頁を手がかりに原文を確認してください。

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旧記雑録全体から分かること

前編・後編・追録・附録を通じて、中世から明治初期までの人物・出来事・地域社会を幅広く調べられます。一つの文書だけで結論を出すのではなく、前後の文書や異なる種類の史料を組み合わせることで、その姿を立体的にたどれます。

島津氏と家臣団

島津氏当主や一族の動向、家督、官途、所領、家臣との関係をたどれます。同じ人物でも通称・官途名・法名など複数の呼び方が使われるため、人物名の表記を比較することも重要です。

合戦・軍事

軍勢の動員、出陣、戦況報告、感状、兵糧や船の手配などが記録されています。合戦そのものだけでなく、戦いを支えた連絡・移動・兵站も読み取れます。

外交・対外関係琉球・朝鮮出兵など

豊臣政権や九州の諸大名との関係、琉球をめぐる交渉、朝鮮出兵に関する命令・報告・渡海・船・食糧などの記録を探せます。複数の文書を年代順に見ることで、出来事の進行を追うことができます。

知行・土地制度

知行宛行、所替え、村名、石高、土地の売買・譲渡、寺社領などに関する史料が含まれます。人物と土地の結び付きや、領地の移動を調べる材料になります。

家族関係・書状

公的な命令文書だけでなく、夫婦・親子・兄弟などの間で交わされた書状もあります。用件に加え、健康への気遣い、贈答、帰国の見通しなど、人物の生活や感情がうかがえる場合があります。

薩摩・大隅・日向の地域史

各地の郷村、寺社、城、港、交通、争論などの記録から、地域ごとの歴史を調べられます。現在の地名と一致しない場合や、同じ場所が異なる漢字で記される場合があります。

藩政・幕末維新・明治初期

追録には江戸時代の藩政や社会、幕末・明治維新を経て明治初期に至る史料も収められています。政治制度や地域社会がどのように変化したかを、同時代の文書や記録からたどることができます。

現在このサイトで検索できる範囲

旧記雑録ガイドに登録済みなのは、現在のところ前編1~2・後編1~6・附録1~2です。上記は『旧記雑録』全体から分かる代表的なテーマであり、追録はまだ検索対象に含まれていません。

史料の性格に注意

『旧記雑録』には、同時代の原文書の写しだけでなく、後世にまとめられた家譜・系図・記事なども含まれます。すべての記載を同じ性格の史料として扱わず、文書の種類、成立時期、写本であることを確認する必要があります。

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旧記雑録ガイドの使い方

  1. 1

    気になる言葉を検索人物名、地名、事件名、文書種別などを入力します。

  2. 2

    関連文書を選ぶ概要・登場人物・宛先・キーワードを読み、原文を確認したい文書を選びます。

  3. 3

    原文の場所を確認文書番号、PDFファイル名、冊子頁を確認します。

  4. 4

    鹿児島県公式PDFへ進む該当する分冊を開き、冊子頁を手がかりに原文を探します。

  5. 5

    AIを読解補助に使う必要に応じて原文画像から原文写し・書き下し文・現代語訳などを作成します。

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    原文と照合するAIの出力と原文を照らし合わせ、研究・引用では必ず原文を最終確認します。

人物には別名や官途名があり、地名にも異体字・表記揺れがあります。検索結果が少ない場合は、別の呼び方、ひらがな、用件を表す言葉でも試してください。

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原文を確認する方法

各文書の詳細ページには、公開元の該当PDFへ進むリンクと冊子頁を表示しています。PDF画面上の通し番号と冊子に印刷された頁が異なる場合があるため、詳細ページに示した冊子頁も手がかりにしてください。

文書が複数頁に続く場合があります。また、ページ末尾で文書が終わったように見えても、次頁冒頭へ続いている場合があります。文書番号の位置、次の文書番号、末尾の日付・署名・宛所を確認し、前後の文書を混ぜないことが大切です。

本サイトでは原文PDFを複製・再配布していません。原文の権利・利用条件は各公開元の案内をご確認ください。

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収録状況

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整理済みExcelデータ

検索に使用している概要整理データを、巻ごとに公開しています。今後の確認で修正が生じた場合は、順次新しい修正版へ差し替えます。

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データ作成・利用方針

修正版と今後の見直しについて

『旧記雑録』全10冊と『島津世禄記』52記事は、一定程度の確認を終えたデータとして公開しています。ただし、すべての誤りが解消されたことを意味するものではありません。今後も原文との照合を続け、修正箇所が見つかった場合は順次差し替えます。

  • AIと人の併用Excel整理ではAIを活用し、人が原画像・目録・文書境界を確認しています。確認状況は文書ごとの「確認度」で示します。
  • 史料の性格を区別関連史料(外伝)は『旧記雑録』とは別の史料として表示し、後世編纂史料を同時代文書と同列に扱いません。
  • 修正履歴を記録確認作業による主な更新は更新履歴に記録し、必要に応じて以前の版へ戻せるよう管理します。
  • 誤りを前提に改善概要・人物・宛先・キーワードには誤読や解釈違いがあり得ます。修正投稿を受け、公開前の確認を経て改善します。
  • 原文を最終根拠に研究・論文・展示・引用では、必ず各公開元の原文PDFを確認してください。

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参考資料

本ページの成立・構成に関する説明は、次の公開情報を参照しています。