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附録2-No.270文書

近衛龍山書状

年月日未詳

確認度

概要

近衛前久(龍山)が島津義弘に、年来待望していた見事で美しい猫が届いたことを喜び、自分の手元に三疋を置きたい、せめて約束の二疋、さらに一疋でもよいので必ず譲ってほしいと、娘や新造方との猫の取り合いまで語りながら繰り返し懇願した書状。あわせて早船の手配に謝し、来訪を誘う。

登場人物

近衛前久、島津義弘、島津龍伯、近衛前久息女、青地与右衛門入道

宛先

武庫殿(島津義弘)

キーワード

近衛前久、龍山、島津義弘、武庫殿、猫、猫所望、猫の取り合い、近衛前久息女、新造方、贈答、早船、動物文化

冊子頁

119~120

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★★★★★

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(1)解題・例言・目次・本文1~184頁(年間不詳).pdf

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採用済みの翻刻・訳文

3

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原文写し

管理人採用済み
近比ゝ不謂由はれんくも達而申候へ共、不及覚悟 候由申、剰過言以下ヲ申、無理〻取申候、 天道ゝ日本国大小神祇、 一疋なから新造かたへ取申、われらへハくれ不申候、 近比ゝ無與此事候、餘之憑ミ事にて候へ共、今 一疋拙者へ被懸御意候ハ、可為本望候、拙者息女 共ゝ懇望申候へ共、其段までも不立入候、まつ拙 者手前ニ一疋所望ニ存候、 可申候、努ゝ人に可遣と申事ニてハ無之候、一咲 候、息女共ゝハ、壹ヶ年龍伯より二三疋参候迄、当 分つかはし候き、其猫共も堅固ニ在之候、又死申 候も候、年去其段かまひ不申、拙者手前ニ一疋大 望候、われらへハ三疋之御約束候へとも、今一疋ニ て堪忍可申候間、可被懸御意候、然ハ比者ゝ籠に入 て可有之、待入存候、返ゝ憑之申事、無是非候へと も、存分ありのまゝ申候、一咲く、 一昨夕者参候處ニ、御懇之儀不始、于今令祝着候、申て も、今度早舟以下被仰付、様ゝ御精ヲ被入、御肝煎 申、御隙之透、必光臨待入候、一両日も以前ニ御左右可 承候、拙者隙なと入、萬一指合候へハ、迷惑無曲候間、 御理申候、預御左右候ハ、縦隙入事候共、此方之儀者 相延可得其意候、跡ゝ猫相届申候處、本望之至、年来待 入候ニ、殊更うつくしく、見事ニ候之由、一段之満足不 大形候、可然樣従拙者相心得可申由候、然而拙者へ給候 猫をも無理ニ取申候、不能分別次第、不及覚悟由申候 へ共、二疋可被下候由ゝ御約束ニ付、何と申候共、令 取申候、かしく、
根拠・参照箇所
geminiを活用した原文写し
投稿者
keicho
投稿日
2026-08-10

書き下し文

管理人採用済み
近比(ちかごろ)不謂(いわざる)由(よし)はれんくも達して申し候へども、不及覚悟(かくごにおよばず)候由申し、剰(あまつさ)え過言以下を申し、無理にこれを取り申し候、 天道・日本国大小神祇、 一、一疋(いっぴき)なから新造(しんぞう)かたへ取り申し、われらへはくれ不申(申さず)候、近比(ちかごろ)これに類する事候、余の慿(たのみ)なき事に候へども、今一疋拙者へ被懸御意(おんいにかけられ)候はば、本望と為すべき候、拙者息女共(むすめども)までも懇望(こんもう)申し候へども、其の段までも不立入(立ち入らず)候、まつ(先ず)拙者手前に一疋所望に存じ候、 可申(申すべき)候、努々(ゆめゆめ)人に可遣(遣るべき)と申す事にてはこれ無く候、一咲(いっしょう)せられ候、息女共には、壹ヶ年(いっかねん)龍伯(りゅうはく)より二三疋参らせ候、当分つかはし候き、其の猫共も堅固(けんご)にこれ在り候、又死に申し候とも、年去(いぬる年)其の段かまい不申(申さず)、拙者手前に一疋大に望み候、我等へは三疋の御約束候へども、今一疋にて堪忍(かんにん)して申し可候(申すべく候)間、被懸御意(おんいにかけられ)候、然れば比者(このごろ)籠に入りて可有之(これあるべき)、待入(まちいり)存じ候、返々(かえすがえす)憑(たの)みの申す事、無是非(ぜひなき)候へども、存分ありのまゝ申し候、一咲(いっしょう)せられ候、 一、昨夕(さくゆう)拙者参り候処に、御懇(おんねん)の儀不始(始めず)、于今(いまにいたるまで)令祝着(しゅうちゃくせしめ)候、申しても、今度(このたび)早舟以下被仰付(仰せ付けられ)、様の御精(おんせい)を被入(入れられ)、御肝煎(おんきもいり)を申し、御隙(おんひま)の透(すき)、必ず光臨待入(こうりんまちいり)候、一二日も以前に御左右(おんそうが)可承(承るべき)候、拙者隙(ひま)なと入(い)り、萬一指合(さしあい)候へば、迷惑無曲(めいわくくせなき)候間、御理申(ことわりもうし)候、預御左右(おんそうがをあずかり)候はば、縦(たとえ)隙(ひま)入り候事候とも、此の方の儀は相延(あいのば)し其の意を得可き(うべく)候、跡(あと)の猫相届(あいとどけ)申し候処、本望の至り、年来待ち入り候に、殊更(ことさら)うつくしく、見事に候の由、一段の満足不(に)大形(おおかたならず)候、可然(しかるべき)様従拙者(せっしゃより)相心得(あいこころえ)可申(申すべき)由候、然れば拙者へ給候(たまい候)猫をも無理に取り申し候、不能分別(ふんべつあたわず)次第、不及覚悟(かくごにおよばず)由申し候へども、二疋可被下(くださるべき)候由の御約束に付き、何と申し候とも、令(せしめ)取り申し候、かしく、
根拠・参照箇所
geminiを活用した書き下し文
投稿者
keicho
投稿日
2026-08-10

現代語訳

管理人採用済み
近頃、思いもよらない話があれこれと私の耳にも届いておりますが、「そのようなことになるとは思いもよらなかった」などと申され、そのうえ、あれこれと言い立てて、無理に〔猫を〕取ってしまわれたとのこと。 天地の道理、日本国中の大小の神々に誓って申し上げます。 一匹だけなのに、新造の方へ取ってしまわれ、私にはくださらなかったとのこと。 近頃、これほどのことはありません。 ほかにお願いするようなこともございませんが、今もう一匹、私のためにお心にかけてくださるならば、これ以上の本望はございません。 私の娘たちもぜひ欲しいと願っておりますが、そこまで立ち入ってお願いするつもりはありません。 まずは私自身の手元に、一匹欲しいと思っております。 申し上げておきますが、決して人に譲るために欲しいと申しているのではありません(笑)。 娘たちには、この一年の間に龍伯(島津義久)から二、三匹いただき、その都度、娘たちに与えました。 その猫たちも元気にしております。 また、死んでしまった猫もおりますが、年月が経ったことですし、そのことについては気にしておりません。 とにかく、私自身の手元に一匹、どうしても欲しいのです。 私には三匹くださるとのお約束でしたが、今はもう一匹だけで我慢いたしますので、どうかお心にかけてください。 そうであれば、今頃はもう籠に入れてあることでしょう。 楽しみにお待ちしております。 重ね重ねお願い申し上げます。 このようなことをお願いするのも仕方のないこととは存じますが、私の思っていることを、ありのままに申し上げました(笑)。 昨夕は私がお伺いしたところ、変わらぬご厚情をいただき、今に至るまで大変ありがたく、嬉しく思っております。 それにしても、このたびは早舟などまでお手配くださり、さまざまにお骨折りいただき、ご尽力くださったこと、ありがたく存じます。 お暇のできた折には、ぜひお越しくださることを心待ちにしております。 一、二日前には、その旨をご連絡いただければと存じます。 私の方にも用事などが入り、万一予定が重なってしまっては、まことに困ったことになりますので、あらかじめお願い申し上げておきます。 事前にご連絡をいただければ、たとえ私の方に予定が入っていたとしても、こちらの予定を延期するよう心得ることができます。 その後、猫が届きましたところ、まさに本望の至りでした。 年来ずっと待ち望んでいたところ、ことのほか美しく、見事な猫であるとのことで、満足は並大抵のものではありません。 しかるべきように、私の方でも心得て〔大切に〕いたすつもりです。 それなのに、私にくださるはずの猫まで無理に取ってしまわれたとは、まったく分別のないことであり、思いもよらないことであったとのことですが、 二匹くださるとのお約束がありますので、 何とおっしゃろうとも、私は〔猫を〕受け取らせていただきます。 かしく。
根拠・参照箇所
geminiを活用した原文写しをchatgptで現代語訳
投稿者
keicho
投稿日
2026-08-10